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木の戦い

古代ケルト人にとって「木」は神霊であり世界の象徴でした。そして、ケルト文化では「木」は文字と同義であり、暦もまた木によってあらわされていました。
6世紀のウェールズで活躍した伝説の吟遊詩人タリエシン。彼の作と伝えられる詩群『木の戦い』(The Battle of the Trees)は多くの木々が動き回り、激しい戦いを繰り広げる物語です。
アルファベット二十文字はそれぞれ木の名によって呼ばれ、これらの木が『木の戦い』の詩行に登場します。

ウェールズ・ケルトの口承叙事詩『マビノギオン』や数々のファンタジーの翻訳者、井辻朱美の流麗な訳詩によって、詩神タリエシンに詠われた木々が勇躍し、ブナとオーク、ヒイラギ、エニシダ、トネリコが身を鎧い隊伍を組んで進軍する壮大でミステリアスな詩行を書家、華雪が彩ります。
四画の文字「木」がさまざまな木の個性を際立たせ、壮絶な争いを現出させます。

「木」が生まれた背景

本書にある「木」の字のいくつかは、2012年11月に原美術館で行われたパフォーマンス『「木」を書いて、森をつくる』で書かれたものです。
3mを超える「木」の群は、自然光が差し込む、大きな原美術館 ザ・ホールで生まれました。

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展覧会

出版記念展 華雪「木を書く」

2013年2月5日(火)〜18日(月)
恵文社一乗寺店 ギャラリーアンフェ―ル

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木を書いて、森をつくる

木の戦い

2013年1月25日発行

詩:タリエシン
英訳:ロバート・グレイブス
訳:井辻朱美
書:華雪

デザイン:須山悠里
サイズ: 144mm×257mm
並製・PUR綴じ
頁数:48頁 栞付き

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